オネシモの負債を肩代わりするパウロのすがたからクリスチャンが思い起こすもの

使徒パウロはぴピレモンという一人のクリスチャンに以下のように語っている。これは、かつてピレモンの奴隷だったオネシモというクリスチャンとピレモンの和解を仲介するという趣旨である。オネシモは奴隷時代にピレモンに迷惑をかけ、おそらく逃亡した。パウロととともに投獄されたことから、犯罪に手をそめていた。しかし、パウロと出会いキリストを信じて救われ、クリスチャンになった。それ故にパウロはピレモンとオネシモの仲をとりもつ事にした。

しかも、もはや奴隷としてではなく、奴隷以上のもの、愛する兄弟としてである。とりわけ、わたしにとってそうであるが、ましてあなたにとっては、肉においても、主にあっても、それ以上であろう。 そこで、もしわたしをあなたの信仰の友と思ってくれるなら、わたし同様に彼を受けいれてほしい。 もし、彼があなたに何か不都合なことをしたか、あるいは、何か負債があれば、それをわたしの借りにしておいてほしい。

‭‭ピレモンへの手紙‬ ‭1‬:‭16‬-‭18‬ 口語訳‬, bible.comより引用

この言葉の中で「何か負債があれば、それをわたしの借りにしておいてほしい」という部分は特に注目すべきである。パウロはオネシモの負債を肩代わりすることを申し出ている。これは、クリスチャンと神の和解を思い起こさせる。クリスチャンは罪という負債を負っていたが、それをキリストが肩代わりすることで、神との和解が成立した。パウロがオネシモのためにしようとしていたことを通じて、ピレモンも自らがキリストによって罪という負債を肩代わりしてもらったことに思いをはせただろう。

おなじく、現代のクリスチャンもパウロのこの申し出をとおしてかつてキリストによって罪を肩代わりしてもらったことを思い出すのである。

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